ふと目に留めた渋谷駅

15時には一通りの用事を済ませ、家でゆったりとしていた。外は良い天気で時折日が差し込んでくるが、くもがかかることもあった。雨雲が少しばかり立ち込めている。数日前、夕方ごろ外を歩いていると、空から地に落ちるかのような雲の塊が見えた。まるでもののけ姫の最後のシーンでシシガミが森に落ち込むかのような、あるいは手塚治虫作品に出てくる擬音語、ズローン、ズォーンで表せるかのような迫ってくる姿だった。しばらくしてから16時前に家を出た。コンビニで配達物を受け取り、パンとジュースを買ってから駅へ向かった。

東横線に乗っている間、本を読んだ。直射日光がフェンスに遮られて、紙の上で明滅していた。目に刺さる。渋谷駅に着いた。

いつもの出口から地上へ上がった。JRの改札へ向かう途中で、いつもと様子が違うことに気付いた。山手線なのか分からなかったが、周辺の鉄骨群の中にホームが見えた。その様子を捉えておきたくて写真を撮った。




ハチ公口のほうへ抜けて、東急百貨店の東横店に行った。日本酒とワインを買った。渋谷駅前では簡易的なライブ会場のようなものができていて、観衆が集まっていた。何がやるのだろうかと興味を惹かれたがその場を後にした。

埼京線戸田公園を過ぎたあたりで夕日が輝いた。遠くには秩父連山らしきものが見える。雨雲の隙間に晴れ間が見え、沈みゆく夕日は一際大きく赤く見えた。与野本町で降りると、ぽつぽつと雨が降り出した。駅前の時計塔は数年来止まっていて、いつ修繕するのだろうかと気にかかっていたが、ついに動き出したようだった。しっかりと今の時刻を指し示している。バスが来るまでしばらく時間があったので、駅の周辺を散策した。