まだ見ぬ土地へ

ベッドで横になっている。遅めの食事をとり終えて、つけっぱなしのテレビの音に半分耳を傾けながらスマートフォンに文字を入力している。

不安な夜には目を瞑り、かつて訪れた土地に想いを馳せる。萩や出雲、伊勢、下田、札幌など、どれも思い出深い。自転車で一日中走り回った土地は、道の凹凸や、雨音や、夕暮れ時の影の具合さえ思い出すことができる。静寂に包まれる。

テレビから明日の天気予報が流れてくる。明日の東日本は今日よりも日差しが多くなると伝えている。今日は念のために折り畳み傘を持って出かけたのだった。

どこか懐かしさを覚える土地についてYouTubeで検索して、何気ない空撮や車載動画を眺めることが時々ある。