今年になってから初めての、本格的な雪が降り始めた。
帰り道、まだ十分には積もらないでシャーベットのような歩道を歩きながら、傘もささないで冷たい雪の中を進む。
数日前、みぞれ交じりの雪は降ったけれど、すぐにやんでしまった。
今日は、視界をさえぎるほどの、しっかりと積もりそうな雪だ。
途中、街灯の下でオレンジ色に照らされた地面を見ながら、ふとその静けさに耳を澄ました。
もともと、冬という季節はあまり好きではない。寒いのが特に苦手だ。
しかし、雪が降っているときの、独特の静寂は、雨の中のそれとはまた違って、どこか惹かれるものを感じる。